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【商船シェア40%】ばら積み船が流行った理由。荷役が楽って本当か?

更新日:2022年10月10日

はじめに


こんにちは、アニキ船長です。

今回は鉱石や穀物などを大量輸送する「ばら積み船」。


この記事を読んで「ばら積み船の特徴」と「外航船員の働き方」を理解しよう。


(⬇︎動画で見られる場合はコチラ)

<目次>

 ①ばら積み船とは

 ②ばら積み船の一日

 ③まとめ

 

1. ばら積み船とは


ばら積み船は、石灰や鉱石、私たちが食べる穀物に至るまで、

様々な貨物をそのまま船倉に詰め込んで運ぶ船だ。


ばら積み船登場以前。粒状や不定形の貨物は、袋詰めにし、

パレットに積み上げるなどして運んでおり、手間も時間も掛っていたんだ。


しかし、ばら積み船が発明されてからは、形が定まらない固形物を効率的に荷役し、

輸送できるようになったぞ。


その利便性から、ばら積み船は世界の商船の約40パーセントを占めるほど

活用されるようになった。


サイズも、船倉が1つの小型船から積載重量40万トンに達する巨大船まで様々。


外観の特徴である、大きなハッチカバーが何個配列されているかで、

その船の積載量がある程度わかるが、


パナマックスやスモールハンディなど、通過できる運河などを基準に

呼称が決まっているぞ。

 

Q.一隻の船にはどれくらいの船乗りが乗っているんですか?


乗組員は小さい船で数人、大きな船になると30人を超える場合もあります。

 

荷役を行うためのクレーンがついているばら積み船もあり、

その場合、港に荷役設備がなくても積み上げができるぞ。


船の機能が多いほど市場での価値は高いが、その分、船員の仕事範囲も増えることになる。

 

Q.「色々な貨物を一緒に輸送していると、貨物が混ざったりしないんですか?」


貨物の積載部は複数の壁で仕切ることができるため、基本的には大丈夫です。

 

構造上は、航海ごとに様々な貨物を積むことができるが、荷主によっては、

化学品原料などの匂いがつきやすい貨物が前の航海で積まれることを嫌がったり、


荷主の希望に合わせて、特定の貨物輸送しかしないばら積み船などもあるぞ。

積み込む貨物の汚れ・混入を防ぐため、輸送後はタンククリーニングだ。


重量物や腐食性の高い貨物をメインで運ぶ船は、船がダメージを受けやすいので、

丁寧にメンテナンスする必要があるな。


口に入れる物を運ぶ場合は、特に前に積んだ貨物の混入に気を付ける必要がありますね

 

Q.荷役はどのようにして行われるんですか?


貨物によって様々だがクレーンやバキュームを使ったり、

船倉内に重機が入って荷役を補助する場合があります。


荷役装置がついている船とそうでない船があるため、

港の設備次第で、受け入れられる船そうでない船に分かれます。

 

貨物の中にはとても密度が高いものや、発火性のあるものなどもある。

そのため、貨物の船内移動や偏り、引火を防ぐために、輸送には細心の注意が必要だな。


このように船や貨物によって、結構違いがあるんだ。

外航船だと海外から輸入するための鉱石や穀物、

内航船の場合は鋼材や家具、衣類など、様々な貨物輸送に関わっている船だぞ。

 

2. ばら積み船の1日


ここからは実際に「ばら積み船」で働く外航船員の一日を覗いてみよう。


7時30分  起床


       朝一で今日の天気を確認。殆ど波風が立たない凪のようだ。ラッキー。

       朝食を済ませ、着替え歯磨きなどの身支度を済ませる。


8時     当直業務


       船乗りは24時間交代で、甲板、機関ともゼロヨン・ヨンパー・パーゼロの

       3班に分かれ、常に航路先や機器の監視を行なっている。


       乗船している船が定期航路なので決まった港を行き来する。

       航路の特徴や注意点、港の癖など、ある程度乗船経験を積めば、

       慣れることができるのは長所だな。


       逆に、その分色々な港へ行くことができないので、

       多様な文化に触れたり出来ないのはもどかしいところ。


       短所と言えば、貨物で船が汚れてしまうのでメンテナンスが大変なことだ。


       航海士も意外と船のメンテナンスをする事が多いのは、

       乗ってみて感じたギャップだったな。


       ペンキ塗りや錆うち、タンクのメンテナンスなど、

       船を安全に長く使うための労力は惜しめない。



12時    当直終了


       昼食を取り、少し休憩すると午後の業務だ。

       この船は1航海が長いので、比較的ゆったりした仕事環境だ。


       甲板に出て一息つく。船の周りにイルカを発見するが、

       100回以上見たので、流石に見飽きている。


13時    船内業務


       業務内容は係船機器のメンテナンスや生活スペースの掃除などを行う。

       仕事の合間はしっかりと休憩を取る。


       思い返せば、狙ってばら積み船に乗船した訳ではなく、

       入社した会社の船がバ積み船だったので、この船に乗っているが、


       資源を外地から日本に運ぶことで、直に日本経済に関わってると感じるのは

       悪くない。


17時30分 業務終了


       待ちに待った夕食!船内生活の一番の楽しみはなんといっても飯だ。

       夕食を堪能した後は、当直まで休憩。


       下船したら休暇でどこに行くか、想像を巡らせる。

       北海道をバイクで一周するのもいいな。


20時    当直業務


       夜間は視界も悪いので、レーダーやAISを活用し、

       前方に注意しながら操船を行う。


       現場で働いてみると、学校や実習船と違い、

       教科書通りに行かないことも多く、


       いきなりトラブル対応ということもあったな。

       それでも業務の中で色々な知識や技術を学んで行けば、一人前の船乗りだ。


24時    当直終了


       さて、今日の仕事完了。満天の星空を見てから自室に戻り睡眠。


       当直時間外でも荷役が入れば業務を行うため、

       睡眠はできるときにしっかり取っておく。



ここまでが外航ばら積み船 航海士の1日だ。


内航船、外航船によって大きく変わるが、今回インタビューした外航船員の働き方は

3~5ヶ月乗船して1~2ヶ月弱休み、9ヶ月乗船して3ヵ月休みというリズム。


給料については、大体400~600万円の間という結果だったぞ。

役職が上がるにつれて給料が上がるのと生活費が基本掛らないところがポイントだな。

 

まとめ


①ばら積み船は、鉱物や穀物など、包装されていない貨物を大量に運ぶ船


②外航船・内航船共に、その輸送効率の高さから様々な場面で活躍している


③鉱石や食糧を運ぶことで私たちの衣食住を支えることができる職場

 

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