top of page

【船シゴトーク!#06 】セメント船の「荷役」と「船員の成長」に迫る!

10月7日
読了時間: 8分

船シゴトークとは…「船シゴトーク」は、現役の商船系学生が、就活生の目線でさまざまな船種を取材する企画です。

新卒で船会社を目指す学生にとって、企業について詳しく知る機会は多くありません。そのため、入社後にギャップやミスマッチを感じてしまうこともあります。そこで本企画では、就職活動の参考となる情報をお届けします。自分が何を重視するかを考えるきっかけになり、どのような人が働いているのかを肌で感じられるようなリアルな記事を目指します。


今回の船シゴトークは、セメント船編!

第3弾でも取り上げたセメント船ですが、今回は前回とは異なる会社・視点から、現場の仕事に迫ります。


セメント船では、一般的な貨物船とは異なる専門的な設備を使って荷役を行います。では、実際に船員はどのような設備を操作し、どのような知識や技術を身につけていくのでしょうか。


今回は、現役の一等航海士・一等機関士のお二人と、現在は海務部で勤務し、船長経験のあるKさんに、セメント船ならではの仕事の難しさややりがい、船員としての成長、そして船内の人間関係について、学生目線で率直にお話を伺いました。

•インタビュー

■ インタビュアー:A(ITecMarinインターン、商船系学生)

■ お相手:Hさん(一等航海士)、Iさん(一等機関士)、Kさん(海務、船長経験あり)

1.セメント船について


Q. セメント船ならではの魅力を教えてください。


Hさん(一等航海士)

粉体貨物を専門設備を使って積み下ろしすることは、セメント船や粉体流体運搬船ならではの面白さだと思います。

貨物の状態や圧力、空気の流れなどを確認しながら、自分たちで設備を操作して荷役を進めていくため、船全体の仕組みを理解できるところに面白さを感じますね。

また、日本全国各地の港に寄港するため、各地の美味しいものを楽しめることも魅力の一つです。

Q.どのような設備を使って荷役するのでしょうか?


Hさん(一等航海士)

セメント船では、専用設備を使って粉体貨物の荷役を行います。

揚げ荷役ではホースを陸上設備につなぎ、船内の配管を通して、陸上にあるサイロへ貨物を送り出します。

こうした設備を使って粉体貨物を扱うことが、セメント船ならではの特徴です。

また機関部では主機を動かし、そこから軸をつないでコンプレッサーを回し、粉体貨物を送り出しています。

一般的な船では主機を船の推進に使うことが中心ですが、セメント船では主機を荷役に活用していることが特徴です。


学生メモ

主機が船を動かすだけでなく、荷役にも関わっている船は今まで知らなかったので驚きました。

2.働き方について


Q. 一等航海士・一等機関士として、一番やりがいを感じる仕事は何ですか?


Hさん(一等航海士)

一等航海士として一番やりがいを感じるのは、船全体を管理する仕事です。

自分で計画を立て、それを乗組員に伝えて指示を出し、安全に作業を終えられたときにやりがいを感じます。

一方で、自分の判断や指示によってトラブルにつながる可能性もあるため、常に緊張感を持って仕事をしています。


Iさん(一等機関士)

比較的小さい船なので、機関部でも自分たちで機器を分解することがあります。

作業が終わったときは疲れますが、自分たちの手で作業を終えたときには、やりがいを感じます。

Q. 船員として一番大変な仕事は何ですか?


Hさん(一等航海士)

一番大変なのは、トラブルが起きたときです。

まず、どこが悪いのか分からない場合もあります。そのときは、一つひとつ原因を確認していきます。

船が古いこともあり、必要な部品がすぐに手に入らず、修理まで時間がかかることもあります。その間、どのように自分たちで対応するかを考えることも大変です。  


Iさん(一等機関士)

荷役中にエンジンが止まると、作業が停止してしまうので、どのようにして再開させるかを考えることが大変です。


学生メモ

何かトラブルが起こったとしても、周りと協力しながら自分たちで解決していくことが、船という特殊な環境では不可欠なのだと改めて認識しました。

Q. 当直以外の時間は何をしていますか?


Hさん(一等航海士)

当直以外の時間には、荷役の準備や船体の整備、設備の確認などを行っています。

荷役がある場合には、事前に打ち合わせを行い、必要な準備を整えて作業に臨みます。


Iさん(一等機関士)

機関部では、当直に加えて計測や清掃、動いていない機器のメンテナンスなどを行っています。


学生メモ

当直以外の時間も、設備の確認や整備など、船を安全に運航するための仕事が続いていることを知りました。

3.キャリアについて


Q. 一人で仕事を任されるようになるまで、どのくらいかかりますか?


Kさん(海務)

未経験で入社した場合、最初の乗船では、通常の乗組員に加わる余剰人員として先輩の仕事を見ながら学びます。

その後、次の乗船あたりから一人で当直を担当するようになりますが、仕事をどこまで任せてもらえるようになるかは、人によって異なります。

「入社して1年だから」「2年だから」という明確な基準ではなく、本人の習熟度や船内の状況を見ながら、現場で判断して仕事を任せていきます。早い人であれば、1年程度で一通りの仕事ができるようになる場合もあります。

Q. 成長を感じる瞬間はありますか?

Iさん(一等機関士)

自分が成長したと感じるのは、機関長が必要としているものを、言われる前に用意できるようになったときです。また、作業全体の流れが分かるようになると、次に何をすればよいのかが少しずつ見えてくるようになります。


学生メモ

「○年経ったから一人前」という単純なものではなく、経験を積み、仕事の流れを理解することで、少しずつ任される仕事が増えていくことが分かりました。

Q. 船長・機関長になるまでには、どのくらいかかりますか?


Hさん(一等航海士)

船長や機関長になるまでの期間は、人によって異なります。

仕事を覚えることはもちろんですが、役職が上がっていく上では、人間性や仕事のセンスも重要だと感じています。

同じ年数を経験していても、仕事を覚える早さには個人差があります。そのため、経験年数だけでなく、その人がどのように仕事を覚え、船全体を見ることができるようになったかが大切です。

また、船長になるためには、担当する仕事だけでなく、船全体を見られるようになる必要があります。 


学生メモ

船長・機関長になるには、経験年数だけではなく、周囲を見る力や人間性、仕事のセンスなど、さまざまな能力が必要だと知りました。

4.中津留組について


Q. 入社前のイメージと、実際の仕事にギャップはありましたか?

Hさん(一等航海士)

入社前は、航海士って船を走らせる仕事だと思っていたんですけど、実際には船を動かすことだけじゃなくて、船内の機械の管理や整備などもあります。

船を走らせることがメインではありますが、そういった仕事も必要なんだというところには、入社前とのギャップがありました。


Iさん(一等機関士)

僕は、まず下積みの段階で、思っていた以上に掃除が大変だったことがギャップでした。

特にエンジン周りは、機関長によって掃除の丁寧さなど求められるものが違うので、最初は掃除から仕事を覚えていく感じでした。   


学生メモ

「航海士=操船」「機関士=エンジンを動かす」というイメージだけでは、実際の仕事の幅を捉えきれないことが分かりました。

船員として成長していくためには、基本的な作業から一つひとつ経験を積み重ねることが重要なのだと感じました。

Q. 中津留組を選んだ決め手を教えてください。


Iさん(一等機関士)

僕の場合は、友人が会社訪問をしていて、「すごく雰囲気が良くて、良い会社だった」と聞いたことがきっかけでした。

それを聞いて自分でも会社について調べて、実際に社員の方と面談しました。そのときにも同じように良い印象を受けたので、入社を決めました。

正直、最初は「なんとなく」という部分もありましたが、結果的にはここを選んで良かったと思っています。

会社について調べることも大切ですが、実際に行ってみないと分からないこともあると思います。


学生メモ

ホームページや求人票などで情報を集めるだけでなく、実際に会社へ行き、社員の方と話すことで分かることも多いと感じました。

就職活動では「会社から選ばれる」だけでなく、自分自身が会社を見極めることも大切だと改めて感じました。

Q. どんな人と一緒に働きたいですか?


Hさん(一等航海士)

船では24時間同じ空間で一緒に過ごすので、やっぱりコミュニケーションが取りやすい人だと助かります。

もちろん、コミュニケーションが取りづらい人と一緒になることもありますが、お互いに気を遣って、尊重し合えれば、それでもうまくやっていけると思います。


Iさん(一等機関士)

僕は、仕事を覚え始めた頃、すごく怒られて、「もう本当に嫌だな」と思ったこともありました。

でも、今振り返ってみると、それだけ本気で仕事を教えてくれる人って、なかなかいないと思うんです。

本気で教えてくれる人がそばにいることは、すごく大事なことなんだなと最近は思います。


学生メモ

船の仕事では、技術や知識だけでなく、同じ船で働く仲間との関係も非常に重要だと感じました。

厳しく教えてくれる先輩の存在も、自分の成長を考えると大切な存在なのだと分かりました。


•インタビューを通して

今回の取材を通して、船員としての成長とは、単に資格を取得したり、仕事を覚えたりするだけではなく、周囲を見る力、判断力、責任感、そして乗組員とのコミュニケーションなど、さまざまな能力を身につけていくことなのだと感じました。

これから船員を目指す方々にとって、今回のインタビューが、自分がどのような船員になりたいのかを考えるきっかけになればと思います。


•会社概要

今回のインタビューにご協力くださったのは、株式会社中津留組様です!!


 
 
 

コメント


bottom of page