top of page

【船シゴトーク!#01】"ガット船"の真実

船シゴトークとは…「船シゴトーク」は、船乗りを目指す20歳の商船系学生が、就活生の目線でさまざまな船種を取材するインタビュー企画です。

新卒で船会社を目指す学生にとって、企業について詳しく知る機会は多くありません。そのため、入社後にギャップやミスマッチを感じてしまうことも。

そこで本企画では、就職活動の参考となる情報をお届け。自分が何を重視するか、どのような人が働いているのかを肌で感じられるリアルな記事を目指します。


今回の船シゴトークは、ガット船編!様々なイメージや噂の実態を、直接ぶつけてみました!


•ガット船のイメージ

私が持っていたガット船のイメージや噂
私が持っていたガット船のイメージや噂

ガット船といえば、「3G(漁船・外船・ガット船)」に数えられるなど、あまり良くないイメージを持たれがちな船種です。自己荷役があるため、「忙しくてきつい」という印象を持つ学生も少なくありません。 一方で、給与水準が比較的高いという話も耳にしますが、実際の仕事内容や働き方を知る機会は少なく、その実態はあまり知られていません。そこで今回、実際にガット船の会社に突撃インタビューしてきました。


インタビュー

■ インタビュアー:松岡(ITecMarinインターン、商船系学生) 

■ お相手:ガット船船員Tさん、役員Hさん、配乗担当Mさん


1. ガット船での仕事について


Q. 同サイズの貨物船と比べて、ガット船ならではの特徴はありますか?


Tさん 

以前はカーゴ船に乗っていましたが、甲板・機関ともに基本的な作業は大きく変わりません。一番の違いは自己荷役があることです。クレーンのメンテナンスが増えることや、荷役中は船体が傾くため、船首・船尾ともに錨を使用して船を安定させる必要がある点が特徴です。


学生メモ 

ガット船は「全く違う仕事をする船」というイメージでしたが、実際には通常の貨物船との共通点

も多く、自主荷役に関わる部分が大きな違いであることが分かりました。

Q. 荷役中は乗組員全員が忙しいのでしょうか。


Tさん 

自己荷役はガット士が担当します。その他の乗組員は係留索の張り具合を監視したり、荷役をサポートしたりすることが中心で、通常の貨物船と大きく変わりません。

Q. 「ガット船はきつい」というイメージがありますが、実際はいかがですか。


Tさん 

実際には、そのような印象はありません。自己荷役はガット士が担当するため、他の乗組員は見張りをしながら休憩時間を確保できます。また、自分たちで荷役を行えるため、作業が早く終われば休めるというメリットもあります。

昔は短時間で何度も荷役を行う会社もあったようですが、当社では余裕を持ったスケジュールを組んでいるため、そこまで忙しい働き方ではありません。


学生メモ 

「ガット船だからきつい」のではなく、会社の運航スケジュールや働き方による影響が大きいこと

が発見でした。



2. キャリア・待遇について


Q. ガット士はどのような仕事ですか。


Hさん

航海士・機関士のどちらでも兼務できます。ガット士は人数が少なく需要が高いため手当も付きます。

クレーン操作という専門スキルを身につければ、就職先の選択肢も広がります。

Q. 技術を身につけるにはどれくらいかかりますか。


Tさん 

当社の油圧クレーンであれば、約1~2か月で基本操作を習得できます。一方、船員として一通りの仕事を身につけるには、半年から1年程度は必要だと思います。

Q. クレーンにはどのような違いがありますか。


Tさん

従来型は細かい操作ができますが、操作や整備が複雑です。当社の油圧クレーンはレバーが3本とシンプルで扱いやすく、メンテナンスも比較的容易です。操作感のある従来型のクレーンが好きでガット士を志望する方もいると聞きます。クレーンの違いは、船や会社を選ぶ基準にもなるかもしれません。


学生メモ 

クレーンにも違いがあり、会社を選ぶ基準になりうるということを初めて知れました。

Q. ガット船の船員は、カーゴ船と比べて給与に違いはありますか。


Hさん 

当社では、ガット船の給与水準をカーゴ船より高く設定しています。仕事内容や配船は大きく変わりませんが、「ガット船は忙しくて大変」というイメージから応募が少なくなる傾向があります。そのため、待遇面でも魅力を感じてもらえるようにしています。


松岡 

仕事が大きく変わらないのであれば、マリンサービス様ではガット船は「穴場」と言えるかもしれませんね。


Hさん 

業界全体では言えませんが、当社についてはそのように感じていただけるかもしれません。


Tさん 

実際に乗船しても、仕事内容はカーゴ船と大きく変わりません。出入港時の作業は多少増えますが、それを考慮しても待遇には満足しています。会社が無理のない運航スケジュールを組んでくれるため、「ガット船はきつい」というイメージとは異なり、働きやすい環境だと感じています。


学生メモ 

「ガット船=きつい」という印象から敬遠されがちですが、実際には仕事内容と待遇のバランスを

考えると、魅力的な選択肢の一つであることが分かりました。



3. 採用・人材について


Q. どのような経歴の方が入社されていますか。


Hさん 

乗組員は九州出身者が多いですが、北海道など全国各地から集まっています。商船系・水産系の学校出身者に加え、未経験から船員になった方も在籍しており、幅広い人材を受け入れています。

Q. 部員から職員になるためには、どのようなステップがありますか。


Mさん

免許を取得していても未経験の場合は、まず比較的経験を積みやすい航路に乗船し、約半年間を目安に基礎を身につけます。その後、他の航路や船でも経験を重ね、一人で安全に業務をこなせると判断された段階で職員として独り立ちします。また、安全を最優先に考え、必要に応じて定員より一人多く乗船させるなど、余裕を持った育成体制を整えています。


学生のメモ

人手不足の業界だからこそ、すぐに戦力として扱うのではなく、一人ひとりの成長に合

わせた教育を行っていることに安心感を覚えました。

Q. 人材育成で特に力を入れていることを教えてください。


Hさん

人材育成は「採用」と「入社後」の二段階で考えています。採用では、経験や技術だけでなく、コミュニケーションを大切にできる人か、自社の雰囲気に合う人かを重視しています。特に経験豊富な中途船員は、自分のやり方が固まっている場合もあるため、会社の文化に馴染めるかを慎重に見ています。

入社後は、自社で15隻の船を運航している強みを生かし、一人ひとりに合った船や航路へ配乗しています。まずは日帰り航路や短期間の航路で経験を積み、徐々に長期間の航海へ移行するなど、無理なく成長できる環境づくりを行っています。


学生のメモ

採用、経営側からも船内のコミュニケーションを重視してくれる点に魅力と強みを感じました。

Q. 動画でも船員同士の仲が良い印象を受けました。その理由はありますか。


Hさん

船内では、お互いに積極的にコミュニケーションを取ることを大切にしています。前職や出身地の話をしたり、方言の違いで盛り上がったりと、自然に会話が生まれる雰囲気があります。また、採用段階から船内環境や心理的安全性を重視し、会社に合う人材を丁寧に採用していることも、良い雰囲気につながっています。

Q. 就職活動中の学生へ伝えたいことはありますか。


Hさん

「ガット船はきつい」「古い」というイメージを持たれがちですが、当社では新しい船を導入し、住環境や作業環境の改善にも力を入れています。乗船サイクルも一般的なカーゴ船と大きく変わりません。安心して、当社にきて欲しいです。



•実際に質問してどうだったか・結果

インタビューを通して、ガット船の仕事は一般的な貨物船と大きく変わるものではなく、自己荷役に伴うクレーン作業やそのメンテナンスが特徴であることが分かりました。また、「ガット船はきつい」というイメージは船種そのものではなく、会社ごとの運航スケジュールや働き方による影響が大きいというお話が印象的でした。

さらに、ガット士という専門性の高い仕事は需要が高く、給与面でも評価されていることや、新しい設備の導入、船内環境への配慮、人材育成にも力を入れていることなど、説明会だけでは知ることのできない現場の実情を伺うことができました。


•インタビュー後のイメージ・感想

インタビューで感じた魅力
インタビューで感じた魅力

今回のインタビューを通して、ガット船に対するイメージは大きく変わりました。「ガット船だからきつい」のではなく、会社の運航体制や乗組員への配慮によって働きやすさは大きく異なることを知りました。また、船内の雰囲気づくりや心理的安全性を重視した採用・育成方針にも強い魅力を感じました。

学生の間では先入観だけで船種を判断してしまうことも少なくありません。しかし、実際に現場で働く方のお話を伺うことで、その船種ならではの魅力や実態を知ることができました。就職活動では、イメージだけで選択肢を狭めるのではなく、実際に話を聞き、自分の目で確かめることの大切さを改めて感じました。


•会社概要

今回のインタビューにご協力くださったのは、マリンサービス株式会社様です!!

ご協力ありがとうございました。

  • 会社名:マリンサービス株式会社

  • 所在地:鹿児島県鹿児島市南栄4丁目43番地

  • 設立:2017年8月22日

  • 事業内容:内航船船舶管理業

  • 運航船種:ガット船、一般貨物船(カーゴ船)

  • 保有船:自社船15隻(2026年時点)

  • 勤務60日乗船→20日休暇/90日乗船→30日休暇

  • 主な運航エリア:九州・沖縄を中心とした日本一円

  • 在籍船員数:51名

  • ITecMarin企業情報:https://www.itecmarin.com/marineservice-recruit

  • アニキ船長動画https://www.youtube.com/watch?v=Ojr0gmAYgJA


 
 
 

コメント


bottom of page