関係者以外にはブラックボックスになりがちな船内生活。
船や会社によって、働き方や仕事内容は異なりますが、就職・転職前に、
実態をリアルにイメージして、自分に合った職場を選びたいですよね。
今回は、海洋資源や気候変動を研究する『調査船』で働く現役若手機関士の
リアルな船内生活を紹介します。
(⇩動画で見られる場合はコチラ)
<目次>
1.停船時の1日
2.航海時の1日
3.休暇の解放感
1.停船時の1日
調査船の職場には、研究者や調査機器の点検整備を行う作業員など、様々な役職をもった
船員が乗船しています。
調査船の船員数は、一般的な貨物船より多くなる場合があります。
そのため、様々なバックグラウンドを持つ人と関わる事ができると言う面白味があります。
また、調査船は輸送船より、長期間港湾に停船することが多いです。
そのため、役職によっては航海中と働き方が大きく異なることはあります。
それでは停船時の船乗りの1日を見ていきましょう。
船乗りの1日は海の上で始まります。
6:30~ 起床。着替えを済ませ食堂に向かいます。
7:15~ 朝食。船内には司厨士という専属の料理人がいて、
毎日、栄養バランスの良い食事を摂ることができます。
7:00~ 機関部の見回りを行います。各々の担当機器と、全体の機材を点検します。
油漏れや故障がないかを確認しましょう。
7:45~ 機関制御室に集合。点検した機器の現状報告や、その日、担当する
仕事の確認を行います。
この時間は同僚とコミュニケーションを取れる非常に大切な時間です。
情報共有することで事故や危険を防ぐことに繋がります。
8:30~ 作業開始。仕事内容は機械の修理や加工がメインです。
他にも、船内の掃除や潮風に晒される外壁のペンキ塗りなどがあります。
周りを良く見て、臨機応変に仕事を見つける力が必要です。
12:00~ 昼食。美味しい食事は船乗りの楽しみの1つです。
13:00~ 午後の報告会議。仕事の進行度や午後のスケジュールを確認します。
会議が終わり次第、午後からの仕事を行います。
途中、 午前と午後一回ずつ、小休憩が入ります。
最初は、年齢差のある先輩との会話に戸惑うかも知れません。
しかし、 同世代では話題に出ない話など、結構勉強になりますよ。
17:00~ 片付け、掃除を行い、仕事終了。
仕事が終われば自由時間です。夕食や、風呂、ゲームなどをしています。
色々な港に立ち寄るので、停泊中は地元の名物やお酒を楽しむ船員もいます。
23:00~ 波に揺られながら、自室にて就寝。
船乗りにとって船は第2の実家です。洗濯や就寝も船内で行います。
2.航海中の1日
次に、航海中の1日を覗いてみましょう。
機関士は、航海中、常にエンジンや海を監視しています。
停船時とは違い、一度海に出ると、部品などを仕入れることができません。
そのため、機械の異常には特に注意を払らっています。
「ワッチ」と言って1日中エンジンを監視するために、4時間ずつの三交代を1日2回。
夫々分担しながら、0時~4時、4時~8時、8時~12時、計8時間勤務にあたります。
仕事内容はどの時間でも同じなので、今回は0時~4時担当の1日を見ていきましょう。
23:00~ 起床、歯磨きや着替えを済ませる。
23:30~ 「次直起こし」と言って前任者が、起きているかの確認を行います。
機関制御室で、前任者との引継ぎとミーティングを行い、交代です。
仕事内容は、機械の管理や点検、異常がないかの確認です。
港の作業とは違いエンジンが稼働していているので、バラして確認することが
できません。故障の早期発見が大切です。
3:30~ 次直を起こしに行き、同様の引継ぎを行い、4時に交代です。
そこから、8時間で食事や睡眠、洗濯などを済ませおきます。
深夜に勤務が終わる場合もあり、インスタントラーメンなどを持参すると良いでしょう。
3.船乗りの休日
ここまでは、調査船若手機関士の仕事を紹介しました。
ここからは船乗りの休暇の過ごし方の一例を見ていきましょう。
なんと言っても長期休暇は船乗りの醍醐味です。
一般的な会社員だと、土日休みに旅行やスポーツなど、疲労が溜まる趣味は
避けがちですが、船乗りの休暇には関係ありません。
夏は海水浴や旅行、冬はスキーなど、長い休みを利用して思いっきり趣味に
フルスイングできるのも船乗りの特権です。
また、陸上での趣味は、乗船中のモチベーションになります。
休暇の過ごしや共通の趣味があると同僚とグッと距離感を縮めることができますよ。
まとめ
今回は、若手調査船「機関員」の1日をご紹介しました。
水産資源や、環境、マントルの研究などの未知の探究に同行できる調査船員。
興味がある人は、是非検討してみてください。
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