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船員から陸上職に転職して感じたメリット・デメリット

更新日:2022年10月7日



皆さんこんにちは!

私は4年間、船員として働いた後、家庭や将来設計を考え、陸上職に転職しました。

船員という仕事は世間一般から考えると大きく特性の違う、特殊な職業です。

飽くまでも個人的な見解ですが、今回は船員と陸上職の両方を経験した中で感じた違い、メリット・デメリットをお伝えできればと思います。

船員という仕事になろうか、もしくは現在船員だが、陸上職に転職しようか…と悩んでいる方がいらっしゃれば、少しでも参考になれば幸いです。


(陸上職への転職活動についての記事はコチラ



<目次>

1.仕事の違い

2.生活の違い

3.家族やパートナーとの生活

 

1.仕事面での違い



①ON/OFFの切り換えやすさの違い


私が陸上職に転職して一番良かったと思える点です。

船員という仕事は船に乗って一度出航すると、次に下船するまで(もしくは陸に着いて休みの時間がもらえるまで)は家に帰ることはできません。

船内に自室はありますが、あくまで船内。職場に泊まり込みで働いているのと同じ事です。残業はいくらでもできます。

それに比べ、陸上職は残業に厳しく、終業時間になれば帰宅です。

逆に陸上職では、会社から家に帰れば、環境が変わるので、スイッチのON/OFFの切り替えが簡単です


②陸上職は時間に対するパフォーマンスにシビア

私の経験では、船員よりも陸上勤務の方が、仕事の成果についてはシビアです。

私の会社ではデスクのPCの電源ON/OFF時間も記録されており、残業を付けずに仕事をすれば、上司が怒られます。

つまり、結果を出すために休憩時間や睡眠時間を削る事ができません。

自分自身がハイパフォーマンス人間になるしかないのです(もちろん、休憩時間や睡眠時間を削る事は良い事ではりませんが)。


③人間関係の違い

上司や部下との良い人間関係の形成の仕方は陸上職と海上職では大きく違うでしょう。

船上では、仕事のみではなく、衣食住といった日常生活も職場の人達と共にします。

つまり、日常から周りの人間に迷惑を掛けたり、マナーが悪いとどうしてもそれが仕事の評価にまで繋がってしまう傾向があります

・食事のマナーが悪い

・部屋の物音がうるさい

・掃除‣片付けをしない

 等々…

一方、陸の仕事では接するのはあくまで仕事時間のみ。他あっても終業後の飲み会や食事(それも仕事?笑)程度でしょう。

プライベートでは何をしようが基本的には関係ありません。

しかし、裏を返せば船上では、ある程度ちゃんとした共同生活を送ることができ、楽しく船内の人間と付き合う事ができればそれだけで認めてもらえる部分があります。

多少仕事ができなくても「あいつは良い奴だからなぁ…」と色々と教えてもらったり、助けてくれたりする事が多いです

これは船員がいいなと思う点です。


 

2.生活面での違い


①収入面の違いによる生活の違い

私の経験での話ですが、30歳手前で転職をし、手取り年収が半分になりました(笑

それでも、転職先でいただけている給与は世間の同世代平均年収より上なので何も文句は言えませんが、改めて船乗りは高収入の仕事なのだなぁと実感しました

その反動で、遊ぶお金がありません…笑

船乗り時代は休暇になれば気分は天下無双。今思えば贅沢三昧をしていました。


②生活リズムの違い

生活リズムは海上職と陸上職で大きく変わります。

陸上職になった現在は、平日は仕事、仕事が終われば家に帰宅し、家族と夕食を取り、就寝する。

金曜日の仕事終わりは晴れ晴れとした気持ちで帰宅し、土曜日は好きな事をします。

日曜日も休みではありますが、翌日朝から仕事なので無理をせず、程々に…といった生活です。

船乗り時代は下船、休暇となれば天下無双の90日連休です(会社によって差はありますが)。


不思議なもので、乗船中は休暇になればしたいなと思う事が山程あり、それをモチベーションに仕事をするのですが、休暇になった瞬間、その意欲はあまりなくなります。

最初の1~2週間はとりあえず何もせずだらだらと過ごします(「何もしなくてもよい」という幸せをかみしめます)

その後70日目までは思いっきり楽しみます。



思いっきり楽しむのですが、最も残念なポイントは遊び相手がいないという事です。

陸上職の友人は上記のように平日は仕事…週5日は友人との予定は作れません。

他の船乗り友達を探しますが、休暇が重なって陸にいるということは滅多にありません。

残り2週間を切ったあたり(厳密には乗船前連絡が来る辺り)からソワソワし始めます。

落ち着かなく、生きた心地がしません。笑

どっちの生活リズムが良いかについては、人それぞれですね。


 


3.家族やパートナーとの生活



船乗りをしていると、よっぽど奥様や彼女(パートナー)の理解がないと、寂しがられる場合が多いです。

私は結婚した最初の乗船が1年2か月程の期間がありました。

妻からは「結婚した意味なかったんじゃ…?」と言われました笑


現在は毎日帰宅し、妻と子供の顔を見られるのが本当に幸せです

実際に船乗りをしている方の中にはもちろん、会えない家族のために一生懸命働いている方々がほとんどです。

両方経験しましたが、船乗りは誇りを持てるかっこいい仕事だと私は思います。

私の経験が、これから船員を目指すから、船員の方の参考になれば幸いです。


 

著者について 氏名:高島 大輔(仮名) 職業:船舶関連機器メーカー勤務 保有資格:3級海技士(機関)・第1級海上特殊無線通信士 経歴・船種: 商船系大学➡三等機関士➡メーカー勤務 船員を目指したきっかけ:海への憧れ インタビュー・加筆修正:ITecMarin株式会社 写真: https://www.photo-ac.com/ , https://stock.adobe.com/jp/



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