はじめに
やあみんなアニキ船長です。
今回紹介するテーマは「二等航海士」
知識と経験を武器に、悪天候や時化の中でも、貨物を運ぶ船乗り。
1隻の船を動かすために、船内には複数の役職があり、大きく分けると、
航海を担当する「甲板部」、エンジンなどの機器を担当する「機関部」に分かれる。
甲板部の役職員は、一等航海士、二等航海士、三等航海士という構成になっており、
予測不能な自然相手に船の進路を決めたり、安全な港の入出港、荷役の指示などを行う
船の指揮官的なポジションだ。
今回は甲板部の中でも、航海に必要な情報の取得と管理を通じて、安全な航海を実現し、
時には一等と三等の板挟みにあう中間管理職「二等航海士」の仕事を紹介しよう。
(⬇︎動画で見られる場合はコチラ)
<目次>
①二等航海士とは
②二等航海士に突撃取材
1.二等航海士とは
二等航海士は「セカンドオフィサー」と呼ばれ、
主な仕事は航路先の見張り、航海日記の記入などの航海当直に加え、
GPSやレーダーなどの航海計器を管理、海図の整備とチェックなどだ。
船の周辺や海域情報など、航海に必要なデータを集め、分析し、上司と相談しながら、
安全な航海を実現する、まさに安全航行の土台となる仕事だ。
甲板部No.2として一等航海士を補佐することは勿論、船長と航海計画の立案を行ったり、
入港時には船尾で、岸壁への着岸・離岸の指揮・管理を行うなど、その業務範囲は幅広い。
二等航海士は、一等と三等航海士の調整役として機能することもあり、
甲板部の情報伝達や円滑なコミュニケーションの立役者とも言える。
当直では一般的に、0時から4時、12時から16時の『ゼロヨン』を担当することが多く、
一般的な生活と大きく異なる仕事リズムには慣れが必要だ。
お給料は同年代の平均より高く、今回取材した二等航海士の年収は800~1,000万円。
経歴や会社によって違いはあるが、同年代の会社員と比べ、2倍近い年収になっている。
ここから昇進して一等航海士や船長になると、年収は1,000万円を超えるため、
次のキャリアビジョンが明確な役職とも言えるな。
2.二等航海士に突撃取材
Q.二等航海士に求められる知識やスキルはありますか?
電子海図、AIS、レーダーなどを備えた機器ECDIS(エクディス)や
航海計器の知識は必須ですね。
電子化が進んでいるので、新しい機材や機能追加のスピードが早く、
最近では安全で経済的な航路を決める航路選定技術、
ウェザールーティングに力を入れています。
最適航路を最新のソフトウェアを使用して作成していますが、
それに頼り切らず、気象海象の知識をしっかりと頭に入れておく事が
安全航海には必須ですね。
最終的には船長(キャプテン)による承認が必要ですが、
重要な船の航路設定は二等航海士が任されます。
船長の意図を的確に読み取るために、
良好な人間関係を構築する力が求められますね。
Q.なるほど、普段どのような心構えで仕事に取り組んでいますか?
船の進路を決めるわけですから、ミスが大事故を起こし乗組員の命を失うかもしれません。
航海計画を立てる時は同僚や船の仲間達の命を預かる覚悟で、丁寧に行っています。
Q.二等航海士特有の仕事のやりがいや難しさはありますか?
やっぱり、世界中の海の航海計画を立てるのは、面白いですね。
仕事の難しさは、自然相手なので、絶対はなく、予想を大きく外すことは多々あります。
ただ、その自然の偉大さを見て、やりがいを感じることも多いです。
Q.二等航海士特有の仕事内容や役割はありますか?
ブリッジ関係のものは、基本的に二等航海士が全て担当しています。
また私の乗る船ではIT担当は基本的に二等航海士が行っていますね。
Q.三等航海士から二等航海士になる時に感じたギャップはありますか?
仕事内容は先輩二等航海士の仕事を見てきたので、大きなギャップはありませんでしたが、
最新の技術や設備の導入で、学んできた二等航海士の仕事が変わることはありました。
三等航海士の仕事は幅広いため仕事量としては多く、二等航海士はどちらかというと
仕事がブリッジ関係に限定されるため、仕事量だけでみると減ると思います。
基本的に、航海当直がパーゼロからゼロヨンとなったので、
日中に人と顔を合わす機会が減り、孤独感を感じましたね
また、不規則な睡眠サイクルに慣れるまでは、睡眠不足に悩まされました。
Q.二等航海士を目指す若手航海士に伝えたいメッセージはありますか?
成長には勉強あるのみです。
失敗や先輩の仕事ぶりからいろいろな知識を学び、昇進を目指してください。
皆さんと一緒に仕事できることを楽しみにしています。
素晴らしいメッセージありがとうございます。
インタビューは以上です。本日はありがとうございました。
まとめ
①二等航海士は、航海当直に加え、航海に必要な情報収集と船の航路提案を行う役職
②日常とは違う生活リズムへの慣れが必要
③広大な海とIT化の波を相手に、航海の安全を支えるスケールの大きな仕事
<船員の方>
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