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司厨士の全貌〜年収と資格〜

更新日:2022年8月25日

はじめに


こんにちは、アニキ船長です。


海を調理場に料理を作る司厨士は限られた食材に工夫を加え、

長期間の船内生活に最大の楽しみを提供するやりがいのある仕事だ。


波に揺れる大海原が職場なので、食中毒を防ぐための衛生管理や、

食器、刃物の使用に細心の注意を払わなければならない。


また、船によって航行や荷役のサポートまで幅広く行う大変さもあるが、

陸では中々味わえないダイナミックさや新鮮さがある仕事。


今回は、そんな司厨士について、飲食店で働く料理人との違いや、

司厨士の仕事内容、とある司厨士の1日を紹介します。


(⬇︎動画で見られる場合はコチラ)

<目次>

①司厨士とは〜陸上料理人と異なる点〜

②未経験から司厨士に〜船舶料理士資格の取り方〜

③現役司厨士の1日

 

1. 司厨士とは〜陸上料理人と異なる点〜


まずは、司厨士と陸上料理人の違いについて。

仕事内容・休暇・お給料の違いなど、順番に見比べていこう。


まずは仕事内容から。

大きく違うのは、職場環境・勤怠リズム・料理を振舞う相手だ。


海上では、水や食料は貴重で、天候や荷役、港の状況で

船が入出港できない場合もあるので、先を見越した買い出し、食材管理が大切だ。


次の買い出しの場所や時期を考えながら、調理計画を立てる必要があるぞ。


釣りで採れ立ての食材が手に入ることもあるが、食材調達については、

飲食店より頻度や手段が限られていることを念頭に置いておこう。


日によって変わる波や天候で大きく揺れることもあるため、

船酔いへの耐性は、向き不向きの重要な要素だ。


船酔いに弱い人は、時化にくい航海ルートの船を1つの指標にして

会社を探してみるのも良いだろう。


閉店まで勤務という働き方ではなく、2~5時間勤務して休憩というリズムで、

下船すればまとまった長期休暇だ。


会社にもよるが、3ヶ月乗船、1ヶ月休暇というサイクルで、長期の家族旅行など、

飲食店勤務と異なる休日の楽しみ方が出来るのは大きな利点だな。


料理を振舞う相手も異なり、飲食店のように不特定多数のお客さんが来るわけではない。

料理を出すのは、同じ船に乗船している数名から十数名の同僚たちだ。


美味しさに加え、船乗りたちの栄養管理や、何より飽きないメニュー作りと、

それを実現する豊富なレパートリーが求められるぞ。


その日の天候や季節を考えて料理したり、日本全国の名産品を調理する面白さや、

乗組員の要望に答えて喜んでもらったり、おかわりのひと言がやりがいに繋がる仕事だ。


船内は他の船員との共同生活。

衣食住を共にする同僚達と良好な関係を築けると、船内生活が快適になる。

時には上司に怒られた若手の相談相手になるなど、意外な所で活躍することも。


▼司厨士の給料

飲食店従業員の平均年収:300〜400万円

司厨士3名の平均年収 :500〜600万円

 

2. 未経験から司厨士に〜船舶料理士資格の取り方〜


司厨士として働くために必要な資格、その取得方法は気になるポイントだろう。


総トン数1,000トン以上の船で働く際は「船舶料理士」の国家資格が必要で、

749トン級の船などでは、船舶料理士の免許が無くても司厨士になれる。


無資格で乗れる船の場合は、乗組員数に余裕がないことも多い。

部員として調理を担当し、1年間の乗船履歴を得ると船舶料理士資格を受験できる。


船舶料理士の資格があれば大型船にも、司厨士として乗船することができる。

総トン数1,000トン以上の船には必ず1名乗船する必要があるため需要が高い資格だ。

 

▼就職方法

①海のハローワークを活用する

②船会社の求人に応募する

③司厨士派遣の会社に登録する


▼受験資格

・18歳以上

・船内で1年以上の調理経歴

※栄養士・調理師免許取得済みの方➡︎3ヵ月の船内調理経験

                 資格所有者と1ヶ月船内研修

▼試験情報

・試験は年1回、毎年10月に実施

受験料は6万円ほど(※船舶災害防止協会会員は46200円)


▼試験内容

・筆記試験+実技試験(合格率は60~90%と高め)

 

3. 現役司厨士の1日


それではリアルな実態を知るため、船乗りの1日を覗いてみよう。

 

4時30分  波の揺れにも慣れ、今日はよく眠れた。


5時     着替えや歯磨きを済ませると出勤。といっても、通勤時間は20秒。

       調理場に着くと、事前に考えた献立表から栄養バランスのとれた朝食作る。


6時     同僚が起きて朝食を食べ始める。


8時     今日は着桟作業があるため、作業を手伝う。


       港に船をつけると、食材が少なくなっていたので、買い出しに出かける。

       大人数の食事を作るため、かなり大量の買い物になる。


10時    買い物を終え、昼食の仕込みに入る。

       地元の名産品を買うことができたので早く調理してみたくてワクワクだ。


11時    航海・着桟・荷役を終え、腹を空かせた船乗りが食堂に集まってくる。


       昼食の片付けが終わると、休憩。

       献立を考えたり、Youtubeで料理動画を見て、レシピを増やしている。


15時    夕食の準備に入る。夕食は一日中、体を使って働いた船乗りたちの楽しみ。

       お酒を飲む人もいるので、おつまみになるものも作る。


17時    食器や調理器具の洗浄


20時    片付け、掃除も終わり、あとは自由時間。


       YouTubeや読書、筋トレなど娯楽や趣味などでリフレッシュ。


22時    波に揺られながら就寝。

 

まとめ


①船の揺れ・特殊な勤務形態への適応と豊富なレパートリーが必要


②無資格で司厨士になる方法や船舶料理士として船で腕を振るう働き方がある


③「美味しい」のひと言と長期休暇が楽しめる仕事

 

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