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船とクリーンエネルギー

更新日:2022年8月31日

 近年、環境意識の高まりから注目されているクリーンエネルギー。電力発電や車などのニュースで目にする機会も多いと思います。排ガス規制の強まりもあり、海運の世界でも注目されています。

 

 今日は昨今話題の、そして今後ほぼ確実に強まる環境規制に関連する、船のクリーンエネルギーについて見ていきましょう。


目次

 1.クリーンエネルギーとは

 2.海運業界での活用事例

 3.今後の流れまとめ

 

1.クリーンエネルギーとは

 クリーンエネルギーとは、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができるもの」です。主に下記があります。 ・太陽光  半導体を用いて、太陽の光エネルギーや熱エネルギーを電気エネルギーに変換する方法。

 太陽光パネルなど、既に導入が進んでいます。


・風力  風力を受けて回転する風車の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法。陸上風力

 発電や、洋上風力発電が既に導入開始されています。


・水力  水流で回転する水車の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する方法。ダムの水流など

 を利用。

・地熱  地下から汲み上げた蒸気や熱水を使って発電機を回転させ、電気エネルギーを生産する方

 法。アイスランドなどの火山がある国で活用されている。

・バイオマス  生物由来の燃料(生物が合成した有機物)を燃焼させ発電する方法。 ・波力発電  波のエネルギーを受けて水車を回転させ、電力を生産する方法。現状コストが高く、普及

 には至っていない。


 

2.海運業界での活用事例

海運業界におけるクリーンエネルギー活用例を見てみましょう。

1)太陽光エネルギー ・船  甲板に薄膜太陽光電池を設置し、必要電力の一部を太陽光エネルギーで賄う船舶の運用が

 開始している。旅客船や運搬船で導入が進んでいる(日本郵船、川崎汽船など)。

・港湾  ターミナルの一部に太陽光発電パネルを設置し、消費電力の一部を太陽光でまかなう港の

 運用が試験的にスタートしている(商船三井、鈴与商事、横浜市など)


2)風力エネルギー ・船  洋上風車設置用の船はありますが、運搬船で風力発電を行うものは普及していません。

 元々人類は風力を船の推進力として活用してきましたが、電力への変換・活用を船上で行

 うのはまだ先になりそうです。

・港湾  政府も港湾における風力発電の設置是非の検討を継続しているが、法改正なども含め、日

 本での導入はまだ検討段階です(秋田県/丸紅など)。


3)バイオマス ・船  バイオ燃料を用いて航行する船舶の試験運航は既に開始しています。バイオ燃料を使用す

 るエンジン開発も進んでいます(日本郵船/ジャパンエンジン)

・港湾  バイオマス発電(木質ペレットなどを使用)設備の港湾での設置・運用が計画されていま

 す(八代港/豊田通商、舞鶴港など)


4)波力発電 ・船  最も船舶と親和性の高そうな発電手段。東京大学などで小型船での波力発電が研究されて

 いるが、商船での応用・普及事例はまだ殆どないのが現状 (東京大学)


5)その他 ・船  これまで大部分が廃棄されていた船舶のエンジン排熱を熱源にて発電する技術が存在す

 る。燃費改善・排ガス減少につながる技術だ(川崎汽船)


 

3.今後の流れ

 

・環境規制の強化  現在地球環境保護に向け、IMOなどが排ガス規制を強め、企業がその対応に向け研究・検

 証を重ねている。足元は、LNG・LPG・低硫黄燃料などの排ガスが少ない化石燃料の活用

 やスクラバーにより対応が進んでいるが、今後クリーンエネルギーの活用が期待される。


・クリーンエネルギーの選定と実用性向上  代替エネルギーとして、船舶への適用研究・実験が進んでいるのは『太陽光』『バイオマ

 ス』。そして燃費効率の改善にエンジン性能の向上や排熱の再利用だ。いずれ太陽光が船

 舶に常設され、バイオマス燃料も使用できるハイブリッド船(もしくはどちらか一方のみ

 で動く船)が広がるかも知れない。


・港湾における太陽光発電普及  港湾でも既に太陽光発電設備の一部導入が進んでいる。バイオマスの活用実験も行われて

 いるが、港は敷地面積が比較的広いこと、エネルギー原料が太陽光のみという理由から、

 太陽光発電が広く普及する可能性が高いのではないかと考えられる。


 

まとめ


・クリーンエネルギーとは  太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用するこ

 とができるもの。


・海運での活用  船や港で太陽光・バイオマスの導入・活用実験が進んでいる。港湾では、風力発電の導入

 も検討されているが、まだ法整備段階。


・これから  実用性・原料面から考えて、太陽光の普及可能性が高いと考えられる。




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