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海運と生物多様性保護の話

最終更新: 7月5日




1.海の生物多様性問題とは?

 世界中で、特定地域の生き物が、別の地域に運ばれ、その生態系を破壊する問題が発生しております。


海もその例外ではありません。 海運業界では『バラスト水や貨物の移動と共に、生き物が海域を超え、元々あった生態系を破壊する事例』が発生しています。

まずは、世界の海で起こっている生物汚染の現状を見てみましょう。

・わかめ:私達が普段食べているわかめは繁殖力が強く、胞子がバラスト水を介して越境し、乾燥わかめを水で戻した時のように爆発的に繁殖しています。ニュージーランドの海岸一帯で増殖しています。


・ムール貝:白ワイン蒸しなどにするとおいしいムール貝。外来種が日本の在来種と交雑したり、牡蠣に付着して成長を阻害するなどの問題が起こっています。貝の幼体は非常に小さく、バラスト水と共に海域を移動します。


・フジツボ:幼体がバラスト水に紛れたり、船体に付着して移動し、生育領土を広げています。フジツボは船体や海中設備に付着して燃費・稼働を落とすなど、船には厄介な存在です。


・プランクトン:毒を持つものもいます。魚や貝にその毒が蓄積され、私達の身体に毒素が溜まる問題に派生する可能性があります。



2.関係者(国・機関・企業)の対応

では、海の生物汚染に対する関係者の対応を見てみましょう。


・各国政府の対応  特定生物の輸入禁止、検疫にて外来生物の侵入を防ぐのが基本対応です。他にも外来種の危険性の周知活動、外来生物除去を行っています。

・IMO/企業の対応  IMOにて2004年に「バラスト水管理条約」が採択され、生態系が異なる海域間での無処理バラスト水排出の禁止条約が、2017年9月に発効しました。

 具体的には、2019年9月8日以降に定期点検を行う就航船は、それまでにバラスト水処理装置を搭載することが義務付けられました。処理方法は下記が代表的です。


①紫外線処理:UVライトで殺菌。活性物質を使用しない為、排出先の生態系に対する影響を抑えられます。


②薬剤処理:殺生物薬剤を用いた処理。薬剤は使用後、中和処理されてから海に排出されます。初期投資が低い一方で、薬剤購入費用が継続的にかかるという課題があります。

③電気分解処理:バラスト水を電気分解し、次亜塩素酸を生成することで殺菌します。

④オゾン処理:空気中の酸素からオゾンを発生させ、その殺菌力で処理します。排出前に中和されます。

⑤凝集剤処理:凝集剤に水生生物を取り込み、分離除去する方法です。



3.海の生物多様性のこれから

 バラスト水以外でも生物が海域をまたいで移動することがあります。今後は『規制・管理対象』『入り込んでしまった生物の除去活動』が広がることが予想されます。

①規制可能性のある対象 ・船体に付着する生物:海洋生物が船体に付着し、越境することを防ぐためのガイドラインが、IMOで議論されています。特殊塗料の開発や、固着生物がつきにくい船体表面構造の開発等が進む可能性があります。


・貨物に紛れ込む生物:港における検疫や、荷役時の検査が強化される可能性があります。   

②海運事業への影響可能性

 生態系保全意識が高まることは、地球環境維持という観点からは素晴らしいのですが、その分コスト増が予想されます。バラスト水対応機器のように、機材・塗料・定修時に、生物汚染を防ぐ対応コストが増加する可能性もあり、環境と経済性を両立させるための工夫・仕組みが求められるでしょう。




まとめ

1.海の生物多様性問題とは? バラスト水や貨物の移動と共に、特定海域の生物が別の海域に入り込み、元の生態系を破壊してしまう問題。

2.関係者(国・機関・企業)の対応 バラスト水処理条約が2017年に発効され、それに従って各社が対応。目下、生物の越境を抑制する対応が主流。

3.海の生物多様性のこれから

船体固着生物への対応など、新たな生態系保全条約が批准され、海運コストが上昇する可能性あり。


写真: https://www.photo-ac.com/



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